栄養サポートだより

国際親善総合病院の栄養サポートチームです。入院患者さんの栄養サポート目的に、多職種(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士)でカンファレンス・回診を毎週木曜日に行っています。

2017年5月25日 掲載

いま私たちにできることを少しずつ

2017年2月23~24日、岡山で開催された第32回日本静脈経腸栄養学会に参加しました。すばらしい講演や発表が数多くあり、大変勉強になりました。

その中でも、私が最も興味深かった講演は、「とろみ剤と薬剤間に起こる性状変化の検討」(昭和大学薬学部 熊木良太先生、倉田なおみ先生、原田努先生、中村明弘先生。「NUTRI YOUNG INVESTIGATOR AWARD」受賞)でした。

内容は、誤嚥予防として用いられるとろみ剤(液体にとろみをつける食事補助剤)が薬と混ざることにより起こりうる性状の変化を、その操作手順、とろみ剤の種類、薬剤による影響について検討を行ったもので、結果は、とろみ剤の種類や操作手順、薬剤によっては相互作用があることが確認されたという発表でした。

この研究のすばらしいところは、嚥下機能の低下した方のことを第一に考え、むせたり、誤嚥することなく、より安全に薬を飲んでいただき、飲んだ薬が十分に効果を発揮するためには、どのようにしたらよいかを追究された点だと思いました。

私たちも目の前で関わる方たちに、昨日よりも今日、今日よりも明日、より良い医療を提供し、その方たちの素晴らしい人生の一助になれるよう努力していきたいと思います。

今後とも当院では、入院患者さんへの栄養サポートだけでなく、臨床研究や学会参加を継続していきたいと思います。

文責:薬剤部 鈴木洋平