栄養サポートだより

国際親善総合病院の栄養サポートチームです。入院患者さんの栄養サポート目的に、多職種(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士)でカンファレンス・回診を毎週木曜日に行っています。

2017年9月4日 掲載

時間栄養学

皆さんは時間栄養学という栄養管理を聞いた事はありますか?
時間栄養学という言葉で聞いてしまうと、何のことだろうと思われる方も多いかもしれませんが、「朝ごはん抜きは太りやすくなる」「野菜から食べた方が良い」「良く噛んで腹八分目」ということは聞いた事がありませんか?
“何を“食べるかという事に加えて“いつ”“どのように”“どの順番で”食べるかということを考えながら食事ができると、ダイエットに繋がり、その結果生活習慣病予防が期待できます。

朝食を抜くと、その分摂取エネルギーは少なくなるのでやせるだろうと思いがちですが、それは大きな間違いです。
朝食欠食は午前中に体を動かすパワーが不足するので、筋肉を削って体に必要なエネルギーを作ります。その結果エネルギー代謝は低下し、また昼食や夕食を多く摂るようになってしまうので肥満にも繋がります。
朝食をしっかり食べると学力や仕事効率に良い影響をもたらすので、こうしたことから最近のニュースでは学校や会社が朝食を用意する取り組みが導入されているところもあります。

ベジタブルファーストという言葉を耳にした事があるかもしれませんが、これは野菜から食べて、次に肉や魚、最後にご飯を食べることによってダイエットに繋がるという食べ方に注目した栄養学です。
どういう仕組みかというと、食べ方と血糖値に関係しています。
野菜などに含まれる食物繊維から食べ始めると血糖値の上昇が緩やかになります。それにより同じ食事内容でも太りにくい食事に変わります。

食べ方に着目していうと早食いは肥満に繋がります。
咀嚼を始めて満腹中枢が刺激されるまでには20分の時間を要しますので、早食い=大食いということになります。ですので早食いは肥満の元というわけですから、肥満防止のためにはゆっくり良く噛んで食事をする事が大切になってきます。

生活習慣病を予防する為に、ぜひ時間栄養学を意識した食生活を心掛けていきたいですね。

文責:伊藤真奈