MRI検査とは

MRI検査とは

MRI とはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略称です。非常に強い磁石と電磁波を利用し、人体を任意の断面(縦・横・斜め)で画像表示することができる検査です。X線を使わず磁石を用いて検査を行うため、放射線被ばくの心配がありません。

使用装置

2018年4月にPhilips社製3T MRI装置「Ingenia 3.0T」を新たに導入し、従来のSimense社製1.5T MRI装置との2台体制で検査を行っており、検査目的や部位、状況に合わせて最適な装置を選択しています。

3T MRI装置の導入によって、より高画質な画像の提供が可能となり、全身の血管や脳神経の走行、各臓器の科学組成、乳房の撮影や心臓まで画像化できるようになりました。また、装置の開口部が従来よりも広くなったことで圧迫感が軽減し、閉所が苦手な方も安心して検査を受けていただけます。

  • Philips社製 Ingenia 3.0T MRI

    Philips社製 Ingenia 3.0T MRI

  • Siemens社製 Magnetom Avanto 1.5T MRI

    Siemens社製 Magnetom Avanto 1.5T MRI

検査の流れ

1.検査受付

当院のMRI検査は予約制となっております。検査準備等がございますので、予約時間の30分前に放射線科受付へお越しください。

2.更衣・安全確認

MRI室内は強力な磁力が発生しているため、室内に金属類などの磁性体を持ち込むと吸着・破損してしまう恐れがあります。そのため当院では検査着に着替えていただきます。また、その際に体内金属や身に着けている装飾品はないか等、問診と金属探知機にて確認をさせていただきます。

3.検査

検査中は検査台が円筒状の装置内に入り、検査が始まると工事現場にいるような大きな音がするためヘッドフォンを装着して検査を行います(耳栓での対応もできます)。検査中は非常用ブザーをお渡ししますので、気分が悪くなった等、用事がある場合にはお知らせください。

※検査時間は検査部位や内容により異なりますが、約20分~1時間程度です。

MRI検査の注意事項

1.下記に当てはまる方は、検査を受けられないことがありますので、主治医および検査担当者に必ずお申し出ください。

  • 心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方

  • 人工内耳、人工中耳の方

  • 眼に微細な金属片が入っている(または入っていると疑わしい方)

  • 3週間以内に内視鏡止血クリップを使用された方

  • 脳動脈瘤クリップが入っている方

  • 1970年代以前に人工心臓弁の手術を受けられている方

  • 金属の義眼底の方

  • 外傷などによる材質不明の体内金属がある方

※体内金属、磁性体が体内に挿入されている場合は、検査可能か不可かの判断のために、手術をされた医療機関に問い合わせをお願いする場合があります。

2.MRI検査室に持ち込めないもの

下記の物は故障や破損、火傷の原因となりますので、検査室内に持ち込めません。

持ち込み禁止
  • 金属類(時計、携帯電話、鍵など)

  • 磁気カード(キャッシュカード、クレジットカード、テレホンカードなど)

  • 補聴器

  • 入れ歯や歯科用磁性アタッチメント義歯

  • ヒートテックなどの防寒下着

  • 貼り薬(ホッカイロ、エレキバン、ニトロダーム、ニコチネルパッドなど。)

  • カラーコンタクト

  • ※化粧品(特にマスカラ・アイシャドウ)

※化粧品には磁性体が含まれているものがあり、検査画像に影響があるだけでなく目の粘膜等を傷つけたりすることがあります。その為、お化粧を落としていただくことがあります。

3.その他の注意事項

  • MRI検査は動きに弱い検査になります。検査中は、体を動かさないようにご協力ください。検査部位によっては呼吸の合図により息を止めて頂くこともあります。

  • 検査内容によっては、食事制限や排尿制限をしていただく場合があります。
    ・腹部MRI検査(肝臓・胆のう・膵臓・MRCPなど)を受けられる方
    ・膀胱MRI検査を受けられる方

  • 予約時間に遅れて来院された場合、お待ちいただくか予約日時を変更となる事があります。その他、緊急検査などにより検査順番が前後し、予約時間通りに検査を行えない場合があります。あらかじめご了承ください。

造影剤を使用される方へ

医師の判断により、より詳しく検査を行うために造影剤を使用することがあります。その場合には、検査前もしくは検査中に腕の静脈に点滴用の針を穿刺し、造影剤を使用します。

以下の方は造影剤を使用できない場合があります。事前に主治医もしくは検査担当者にお申し出下さい。

  • 喘息の治療中また喘息になったことがある方。

  • 今までに造影剤を使用して副作用(吐き気、痒みなど)が出たことがある方。

  • アレルギー体質を有する方。

  • 腎障害または腎機能が著しく低下している方。

  • 妊娠中、授乳中の方。

主な検査

頭部MRI検査

脳梗塞、脳腫瘍、脳出血などの頭蓋内病変を診断するための検査です。また、造影剤を用いること無く血管を明瞭に描出できるため、脳動脈瘤や血管狭窄などの診断に有用です。

心臓MRI検査

心臓の動きや弁の動き、筋肉の状態と病変を診断するための検査です。心臓は常に動いている臓器のため、動きに合わせて少しずつしか撮影できません。そのため、非常に長い時間(約1時間)かかってしまいます。また、呼吸によっても心臓が動いてしまうため、息を止めていただく必要があります。20秒ほどの息止めを何度も繰り返し行いますのでご協力をお願いいたします。

血管MRI検査

造影剤を用いることなく、頭頚部、体幹部、下肢血管などの血管を描出可能で動脈瘤や狭窄などの診断するために行います。造影剤を使用しないので、造影剤アレルギーがある方や腎機能が悪い方でも検査可能です。より詳細な血管の情報を得る為に造影剤を用いる場合があります。

腹部MRI検査

肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓などの病変を診断する為に行う検査です。腹部の検査では、呼吸の動きに合わせて撮影をしたり、息を止めて撮影します。(息止め時間は約15秒です。)

骨盤部MRI検査

前立腺や膀胱、子宮や卵巣の病変を診断するために行います。膀胱以外の検査の方は、事前にトイレを済ませて下さい。膀胱の検査の方は尿を溜めた状態で検査を行います。また、検査前にお水を飲んで頂く場合があります。

脊椎脊髄MRI検査

脊髄や椎間板などを鮮明に描出することができ、痛みやしびれの原因となる椎間板ヘルニアや圧迫骨折、転移性腫瘍、脊椎変性疾患などの診断に有用な検査です。

四肢MRI検査

レントゲン撮影で診断の難しい靭帯や半月板などを鮮明に描出することができ、靱帯損傷や骨折、炎症が生じている範囲や腫瘍の診断に有用な検査です。

その他・特殊検査

最新のMRI装置が導入された事によって全身を一度の検査で撮影する事が出来るようになりました。全身の撮影になるため検査時間は約40分と比較的長い検査ですが、被ばくもなく検査中は寝ているだけの検査となります。この検査は、骨転移や炎症性変化の診断に有用な検査です。