栄養サポートだより
国際親善総合病院の栄養サポートチームです。入院患者さんの栄養サポート目的に、多職種(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士)でカンファレンス・回診を毎週木曜日に行っています。
2017年10月25日 掲載
食べられる口作り
食べるという行為には以下のような1~8の働きがあると言われています。栄養を摂るだけでなく、さまざまな効果が期待できます。食べるという事は、まず食べられるような口を維持・作ることが大切です。入院すると食事を食べることができない期間があったり、食欲低下で食事を食べられないことも多いと思います。食事を食べていなくても、いつでも食事が食べられるように、口腔ケアをして食べれる口を作っておくことが大切です。
口腔ケアの効果
- 胃腸の働きを促進する
唾液中の消化酵素の分泌がさかんになり、細かくかみ砕けば胃腸への負担を和らげます。 - むし歯、歯周病、口臭を予防する
唾液の分泌が増え、唾液の分泌が増え、唾液の抗菌作用によって口の中の清掃効果が高まります。 - 肥満を防止する
ゆっくりたくさん噛むと満腹感が得られ、食べ過ぎを防ぎます。 - 脳の働きを活発にする
噛むことで脳への血流が増加し働きを活発にするために、脳の若さを保って老化を防止します。 - 味覚が発達する
じっくりと味わうことができ、味覚が発達します。 - 発音がはっきりする
口のまわりの筋肉が発達し、言葉の発音もはっきりします。 - がんを予防する
唾液に含まれる酵素には、食品中の発ガン物質の発ガン性を抑制する効果があると言われています。
義歯の取り扱い
- 義歯を外したら、乾燥による変形や変質を避けるために水に入れて保管します。熱湯は義歯が変形してしまうので使用を避けましょう。
- 義歯洗浄剤を週に1~2回使用して、義歯に付着している細菌の繁殖を予防しましょう。
- 研磨剤入りの歯磨き粉は、義歯表面に細かい傷がつき、細菌の温床となることがあるため使用は控えましょう。
- 義歯による窒息を予防するために、夜間は外して就寝しましょう。
文責:高橋貴美